うちの子は「これはダメ」と自分の中で決めたらなかなか乗り越えることができないタイプです。
何か嫌な事にあって「これは嫌い」と思ったらずーっと嫌い。そんな物の中にエレベーターがありました。
エレベーターを嫌いになったきっかけ
エレベーターを意識して「嫌い」と位置付けたのは通っている小児科のビルにある小さくて少しだけ薄暗いエレベーターです。
薄暗いエレベーターを初めて怖いと感じた
それまではショッピングセンターやスーパーで乗ることはあるものの明るく広いものばかり。そして小さい頃はカートに乗っていることが多かったので、苦手になるとは思いませんでした。
通っていた小児科は昔からある小児科で建物自体は打ちっぱなしのオシャレな外観の1階。裏手にある駐車場は2階の高さに面していたため、エレベーターか階段で降りるようになっていました。
ただ、エレベーターはあまり外からの明かりが入らない中の方にあって少し薄暗いのです。
いつものようにふたりで手をつないでエレベーターに乗ったとき、薄暗さと小さいエレベーター特有のガコンという揺れに子供が半泣きになって「抱っこ!」と言いだしました。
一度怖いと感じると、その気持ちをずっと持ち続ける
えー?暗くて怖かったの?とその時は気にせず抱っこしたのですが、その事があってからどんなエレベーターも抱っこ以外では乗れなくなりました。
その後は小児科のエレベーターには近づくことすらせず、絶対に階段を使う様になりました。
一度怖いと感じてしまうと、その気持ちはどんどん大きくなって心に残り続けるのです。
これまでも嫌な出来事や気持ちは忘れず、しつこく言い続けます。これは発達障害の特性なのかな?
うちの子の場合は小さな頃に感じた嫌な事、嫌いと思ったもの、人など、その出来事を思い出すたびに嫌という気持ちが強くなっているように感じました。
エスカレーターが克服できたんだから・・・エレベーターもいける?
苦手になったのは2歳過ぎからでした。丁度人見知りがひどくなったり、苦手なものが増えた時期です。
3歳になり、苦手意識も薄くなってきたのか、いろいろな事を「やってみる」と言って克服できるようになった頃に聞いてみました。
「ねぇ、エスカレーターも乗れるようになったのだから、エレベーターも大丈夫になったんじゃない?」子供は眉根を寄せて「こわいからいや」と言いました。そうか。まだダメか。
このタイプの子は自分が「大丈夫」と思わないと克服できない
嫌だというのを無理強いしても良い結果が出たことがないので、エレベーターは本人が「やってみる気」になるまで待つことにしました。
基本的にエスカレーターを克服できたのでだいたいの建物ではエスカレーターか階段。もしどうしてもエレベーターに乗らなければならない場合は抱っこすれば乗ることができます。
さして困ってはいなかったのでした。
しかし、先日、急に子供が「乗ってみる」と言い出したのです。あぁ、びっくりした。
急に子供がやる気になり、エレベーターにチャレンジ
先日、子供と一緒に大きな本屋のあるお店に行きました。いろいろ本を見たり、店内にあるキッズスペースで遊んでご機嫌の子供と一緒にベンチに座って休憩していたときのことです。
そのベンチは意図した訳ではないのですが、エレベーターの横にあってふたりで飲み物を飲みながらぼんやりと人の流れを見ていました。
急にエレベーターが開いて、うちの子より少し大きめのお姉ちゃんがスキップしながらエレベーターをお母さんと一緒に出てきたのです。
すると何も言わないのに子供が「乗ってみる!」と言い出しました。
同じくらいの子が乗っているから私にも乗れるかも!という気持ち
「え?何に?何に乗るの?」そこがエレベーターの傍だったこともスキップで出てきた女の子のことも見ているようで気にしていなかった私は、急に何かにやる気になった子供にびっくりして聞きました。
子供はエレベーターを指差しています。・・・。おぉぉぉ!本当に?エレベーターに乗るの!?
これまで何度か気が向いたときに誘ってみてはいたのですがその時は断られていたし、まさか自分から言い出すとは思いませんでした。
「え?エレベーターに乗ってみるの?よし。じゃあ乗ってみよう!」そういって用はなかったのですがエレベーターのボタンを押しました。
子供は自分で「乗る」とは言ってみたものの、前に立つと以前の嫌なイメージが蘇ったのか「やっぱり抱っこ」というような事を言い出しました。
「いやいや、抱っこで乗るのは今までと一緒だから、お姉ちゃんみたいに自分で歩いて乗ってみよう。」そういうと、子供はウンと口を一文字に結ぶと開いたエレベーターに乗り込みました。
おぉぉ。本当に乗った!!
きっかけがあれば乗り越えるのはすぐ
「エレベーター乗れた!」その後も子供は何度も何度も用もないのにエレベーターで上下し、完全に克服しました。
今回の克服のきっかけになったのはスキップして出てきたお姉ちゃん。(うちの子は先日テレビでスキップのやり方を見てから、憧れたのか自主的に特訓中なのです。)
楽しそうにスキップしながらエレベーターを降りてきたお姉ちゃんに目を奪われて、自分も!と思ったのでしょう。突然やる気になりました。
中途半端に某アナウンサーのようなスキップを家で頑張ってやっていたのは知っていましたが、それがエレベーター克服に一役買うとは思ってもみなかったなぁ。
未だに克服できないのはトイレとご挨拶とお父さんか・・・。急にやってくる「やる気」をうまいこと捕まえて、ぜひその3つも克服して欲しいなぁと思います。
うちの子のようなタイプは、親や周囲に「やってみようよ!」と無理強いされることは大嫌いです。
そういう事を言われると絶対にやりたくないと思うタイプなのですが、本人が自然に「できるかも」「やってみよう」と思えば、勝手に乗り越えていくのだと思います。
慎重で、失敗したくなくて、完璧主義の子はこういう風にしか克服できないので、親はもう見守るしかないですね。
かわいいお姉ちゃんにすごく憧れているので、本当は少し上のお姉ちゃんがいれば何でも真似してできるようになるんだろうけど。次は子供用トイレの前で待機してかわいいお姉ちゃんが入るのを待つかな・・・。
【追記】トイレとご挨拶、克服できました。最近はお父さんとの関係もわりと良好です。
こうやって並べてみると、やっぱり全ての克服は自分で納得してチャレンジ→自然にできるようになる。ですね。
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