先日も書きましたが、私は毒親育ちです。毒親と言えば暴力を振るったり子供にひどい事をする親というイメージですが、私の親はそうではありませんでした。
子供のために我慢して、我慢したことの不満を子供に言ってしまう(当たる)人でした。
今日は、先日読んだ「気づけない毒親」のレビューの続きを書きたいと思います。
前回の記事はこちら

自己肯定感を上げるには、自分は悪くなかったと知る事
私の場合は精神的に攻められるほうの毒親だったのですが、本を読んでみると毒親というのはたくさん種類があるんですね。母親だけでも6タイプも紹介されていました。
- ジャイアンタイプ(毒舌・罵倒)
- かわいそうな母タイプ(罪悪感でコントロール)
- パフォーマンスタイプ(手段を選ばない)
- 至れり尽くせりタイプ(レールを敷く)
- 逃避タイプ(放置)
- 自己愛タイプ(自分がどう見えるのかが全て)
うちの場合は…基本は自己愛タイプ。良妻賢母のふりをしているので、当然至れり尽くせりもしますが、自分の思い通りにならないとジャイアンっぽく怒ります。(混合?)
昔ながらの子育てをしてきた(特に田舎のほうの閉塞的な土地に多い気がする)親はほとんど、今の時代には「毒親」と呼ばれてしまうのではないでしょうか。
毒親に育てられるということは、日常的に自己肯定感をバッキバキに砕かれて、ゼロに近いんですよね。
なのに、今、自分は子育てをしていて「自己肯定感は大事ですよ!子供の自己肯定感を守ってあげて!」と言われる訳です。
更に、子供の自己肯定感を守るためには親の自己肯定感が高くないといけないらしいんですよ。
で、毒親に育てられたことはもう昔のことだからと適切な距離を保ってスルーするつもりでしたが、そうもいかなくなるんです。
親の自己肯定感を上げるためには、もっと自分の育てられた環境を正確に知ることが必要になります。
そして「あんな風に育てられたけど、自分は悪くなかった」と思えるようになることが大切です。(親があんな事を言ったのは自分が悪いせいだと思う気持ちで自己肯定感が下がるから)
なぜ親は私をあんな風に育てたのか?
先日記事に書いた高橋リエさんの「気づけない毒親」では、その理由を親の親世代の戦争体験にあると書かれています。
生きていくのに必死だった時代の子育てによって、我慢を強いられてきた親世代が既に毒親育ちなのだそうです。
- 親の親の世代が既に毒親
- 毒親(祖父母)の考え方に染まったままの毒親(親世代)
- 戦後と現在とでは環境が変わってきた
- 環境の変化に気付かない人が毒親となってしまっている
読んでみて、すごく納得しました。私は小さな頃から母親の感情のゴミ箱役(ずっとグチを聞かされた)をずっとしてきたため、母親が持つ祖父母への恨みも知っています。
兄弟が多く進学を諦めた話や、親に男女差別されて家事ばかりさせられてきた話、就職で都会に出ていたのに呼び戻された話、知らない人と強制的に結婚させられた話…。
簡単に言うと、親も毒親に育てられている毒親育ちだったということですね。
ははぁ…それでか…と、思いました。(ある意味、親の感情ゴミ箱でよかったなと思った瞬間かもしれません。親の葛藤や言動の訳が非常に納得できました。)
子供に優しくしたかったけれど、自分の子供の頃のことを思い出すと無意識のうちに、自分で用意した恵まれた環境で育つわが子に嫉妬して攻撃していたのかもしれません。
更に、ほぼ定型発達の母に私(発達障害っぽい。アスペルガー気質)を育てるのは大変だっただろうなと思います。兄もADHDっぽいので余計に。
たぶん、母は愛情を持って育ててくれたと思いますが、毒親育ちのため毒親風味の子育て(不満いっぱい)になり、更に私は愛情を受け取りにくい性質のため、こうなったという訳なのですね。
理由がわかったことで、自分の気持ちに少し整理をつけられた
親になった今、無意識のうちに自分の育てられた方法で子育てをしてしまうという状況は理解できます。情報がたくさん溢れた今だから間違ってると気付けるけれど、昔なら無理です。
今まで「どうして親はあんな風に私を育てたんだろう?私の事が嫌いだったんだろうか?」と考えていたのですが、この本を読んだことで、気持ちがスッキリ落ち着きました。
やられた嫌なことはたくさんあります。でも、理由があったんだなぁ…と思えるようになったので、心がざわざわしなくなりました。(まだ多少はありますが)
自分が無意識のうちに、自分がされて嫌だったことを言っていたり、してしまっている状況を考えると、仕方なかったのかもしれないと思えるようになってきました。
これは、私が人の気持ちに気付きにくい性質を持っているせいなのかもしれませんし、親が比較的マイルドな毒親だったからということもあるかもしれません。
毒親の中にはひどいタイプもいるので、そういう経験をなさっている方にはこの本は合わないでしょう。そういう親を許す必要はないと思うし、全力で逃げたほうがいいと思います。
でも、良かれと思ってマインドコントロールするタイプの毒親持ちにはおすすめします。
毒親本の中にもタイプがいくつかある
今回、毒親本を読み漁ってみて感じたことですが、毒親本にもいくつかタイプがあるような気がします。
- DVなどの激しい経験を持った方が書かれた、親から逃げるための本
- マインドコントロールから抜け出すための本
- 自分で自分を癒して人生を立て直すための本
- なんだかんだ言いながら母親だけを責める本(男の先生が書いていることが多い)
私も激しい系の毒親本を読むと怒りとフラッシュバックで辛くなりました。辛い経験のある方はご注意ください。
男性目線の、全部母親のせいという感じの本も、読むと辛くなる人は多いと思います。そういう本はお父さんの話はほぼ出てきません。
だって今の時代、両親共にフルタイムで働くご家庭は多いし、昔の良妻賢母は無理だもの。夫婦揃って子育てするのが当たり前の時代です。時代と合ってない本はおすすめしません。
書いた人が心に怒りを抱えているタイプの本も、気持ちが引っ張られるので私は苦手でした。
女性の方が読む場合は女性の方の書いた本を読むことをおすすめします。特に、子育て経験のある方が書いた本。
理由は、自分もだいたい毒親と同じことをしてしまっている可能性が高いので、読むと責められている気持ちになるけれど、子育て経験や失敗をしてきた方の本は比較的優しく心に入っていきやすいからです。
高橋リエさんの「気づけない毒親」は、許されてる気がする。頑張ってみようという気持ちになります。
たぶん、母親目線でなく、毒親に育てられた子供目線で読めばうちの母も共感しながら読めると思う。…まぁ、実際に読ませないと思うのでわからないけど。
「気づけない毒親」では、毒親の父親タイプも5つにわけて書かれていました。
- ことなかれタイプ(見て見ぬふり)
- 同調タイプ(母親と一緒に攻撃)
- 威圧タイプ(根性論で追い詰める)
- 逃避タイプ(家に帰ってこない)
- モラハラタイプ(恐怖で支配)
自分で手出ししない父親も、子供を助けてくれないなら立派な毒親なんですね。うちの父親はことなかれタイプ+逃避タイプかな…。
毒親は連鎖するという事をしっかり理解して、「気付けて良かった!これから変えていこう」と思える本をおすすめします。
あと、高橋リエさんの「毒親のおしゃべりは独り言」という言葉にドキッとしました。そうなんですよ。
私の存在は、母にとっては「人から聞いた人に言えない話をするための王様の耳はロバの耳の穴」なんですよね~。
言った後は本人、スッキリした顔してるもん。そして後は言ったことをまったく覚えてないの。傷つくだけムダだったんだなぁ…。
以前、私が書いた毒親に関する記事はこちら


コメント